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古民家の改修を通して
過疎山間地域の再生に挑む

杉浦 岳 Gaku Sugiura
学部:環境情報学部4年
出身校:南山高等学校(愛知県)

私が所属する小林博人研究室では、「田根再生プロジェクト」として、過疎山間地域における古民家の改修を通した地域再生プロジェクトを、2006年から継続して行っています。
 研究対象となる滋賀県長浜市の田根地区は、人口約2000人が14の集落に暮らしています。林業などで栄えた歴史ある場所ですが、現在では少子高齢化と産業の衰退による人口減少、それに伴う獣害など、過疎地域の典型的な問題を抱えています。
 本プロジェクトは、こうした地域で特に古民家に焦点を当て、機能的・物理的な介入を通し、地域のコミュニティを刺激して、地域再生への道筋を導き出したいと考えています。具体的には、築100年以上の古民家を改修しコミュニティセンターとしての活用を促したり、別の古民家では実際に移住者が住めるように改修を実施しています。

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町づくり・地域再生に必要な
"意思の共有"を実感

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一般的に、町づくりは10年がひとつの目安と言われますので、8年目となった本プロジェクトも、最終的な目標設定と評価をどうするのかが課題となっています。個人的には、移住者向けに改修した古民家に、実際に外部から人が移り住んでいただけたときが、このプロジェクトのゴールかなと考えています。
私自身は、主に移住者向けの古民家改修に携わってきました。その中で、地元の人と私たち外部の人間との視点の違い、家の扱い方や使い方に対する考え方の違いなどを目の当たりにしました。そこで改めて、町づくりにはそれにかかわる多くの人の"意思の共有"が大切なのだと学びました。
来年からは大学院に進み、設計について学ぶのですが、本プロジェクトでの経験を、これから学ぶ建築設計や都市計画の視点に活かしたいと思います。