執筆者・論考紹介
総合政策学の方法論的展開

実践知の学問の方法論

國領 二郎

國領 二郎

総合政策学部 教授

何を論じたのか

総合政策学を諸学者の烏合の衆にせずに「総合政策学博士」を出せる学問に昇華させることを考えた。政策学を標榜するからには社会との関わりの中から学び、働きかけを行う実践知としていかなければならない。そして「総合」を標榜するからには、異なる諸学の知恵を集結させる能力を持っていかなければならない。そのような関わりを通じた研究と諸学の統合を論理とエビデンスに厳格な姿勢を保ちながら行う方法の体系化が行えた時に、総合政策学が学問分野として成立するようになる。

執筆者の研究紹介

情報技術が経営に果たす役割の研究を行っている。インターネットが商用化された1992年以前はEDI(電子データ交換)が産業界における企業間関係をどのように変化させるかを研究してきた。インターネット登場後は消費者に研究対象を広げていった。ITビジネスにおけるベンチャーの重要性に鑑みて教育的にはベンチャー育成も手がけてきた。最近では、デジタル化が個々の企業のビジネスを超えて、社会全体の経済構造を変えていくことに目を向けて文明がどのように変化しつつあるかという視点で研究を進めている。