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おかしら日記
2021.06.29

キャンパス開放を目指す感染防止への自律した意識|看護医療学部長 武田 祐子

2021年6月21日、オリンピック開会の一月前、慶應義塾大学における新型コロナウィルスワクチンの職域接種が開始されました。塾執行部の新体制発足からわずかの期間に準備が進められ、「塾生、教職員が安心して日常を過ごし、慶應義塾で、学び、働くことに対する意義を見いだすことのできる場を取り戻す」という基本方針の基、これまでの大学病院での経験に基づく機動力が発揮され、それに呼応して、教職員のみならず、多くのOB、OGの力が集結しました。

看護医療学部では、病院、施設、地域などでの実習が必修科目となっており、安全に実施するためには、学生のワクチン接種は喫緊の課題です。その実現に向け、様々な可能性を探ってきました。これは、全国の看護教育機関に共通の問題として、関連団体から要望書も提出されています。そのような中、大学における職域接種が計画され、学生のワクチン接種の道が拓けました。

20210628武田先生1.png看護医療学部としても専門性を活かした協力が可能であると考えて呼びかけを行い、医療系の資格を有する教員と大学院生の多くが接種協力に手挙げをしてくれました。また、医療系ではない教員も、自身の専門性を活かし、注射技術の確認ができるモデルを作成してくれました。それぞれの立場から、自分にできることを即座に実行しようとする姿勢は、頼もしくも嬉しくもありました。

協力を呼びかける立場としては、微力ながら貢献したいと思い、学事と重ならない土曜日に接種会場での活動に参加してきました。開始30分前には、すでに30名程が南校舎の階段に接種待ちで並んでいました。

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注射の打ち手は16名の看護師と医師で、看護医療学部教員は2名、多くは大学病院の勤務経験を持つ紅梅会(看護同窓会)会員の方でした。簡単な説明後に二部屋に分かれてすぐに接種開始となりました。4時間で、おそらく100名以上には接種したのではないでしょうか。ワクチンが充填されたシリンジ10本がトレーに準備され、進行に従いそのトレーが補填されます。協力に出向いていた医師がその状況を「わんこそば状態」と例えていました。

会場には、学部学生や教職員の見知った顔も散見されました。緊張して身を強張らせる学生や、逆に興味津々に接種の瞬間を見届けようとじっと見つめる人など様々でしたが、多くは「もう終わったんですか?」「あっという間ですね。」中には「全く気付きませんでした。」という人まで。一方、「思ったより痛かった。」という学生もいたので、今回のワクチン接種には様々な情報や思いを抱いて臨まれたことも、受け手の気持ちや受け止めに影響していたと思われます。

5万人のワクチン接種を目標に開始されて1週間。ワクチン接種による集団免疫の早期獲得はもちろん大きな力となりますが、やはり何よりも大切なのは方策に掲げられた「ひとりひとりの感染防止への自律した意識を高める」ことです。
安全で安心なキャンパスライフを取り戻せる日を心から願っています。

武田 祐子 看護医療学部長/教授 プロフィール