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おかしら日記
2005.11.11

「健マ」の魅力|吉野肇一(健康マネジメント研究科委員長)

へー,今回はとても常識的な(SFCらしくない?)お題「おかしら就任にあたっての抱負・意気込み」とのこと,でも,執筆メンバー5名の最後となると、ちょっと肩に力が入りそう。

まあ,本研究科の硬いところは,研究科案内でも見て欲しい。

健康マメジメント研究科は長いので,通称「健マ」と称するんだ。

その健マでは何を研究するかというと,その名のとおり,個人・組織の健康管理を,とくに超高齢化社会において,効率的かつ魅力的に行う方法の追究であり,本邦では他に類を見にくい大学院研究科である。

ところで,この「健康」という言葉が曲者なのである。というのは,世間では「健康」とは「健康で疾患・障害のないこと」ということが"当たり前"なのであるが,高齢者ではどこかに身体的障害があるのがこれまた"当たり前"なので,こんがらかってくる。それでは困るから,どこかに軽度の障害のある"当たり前"の高齢者も「健康」に限りなく近い人として扱う,つまり,「健康」から「病気・障害」の間に従来のように垣根を置かないで,それらを連続した概念として扱うことから,「健マ」はスタートしている。ちなみに,「健康」という用語は,福澤先生の恩師,緒方洪庵先生が造語され,福澤先生が世に広めたそうな。さらに先生の用語には,「帯患健康」※というのもあり,これはまさに「健マ」にぴったり。

で,このような学問を体系的に,かつ,上記のように効率的・魅力的に進めようとすると,医学・看護学的知識,介護医療に係るノウハウ,そして忘れてはならないのがこの分野へのスポーツの積極的な導入などである。したがって,「健マ」は,看護学,医療マネジメント(医マネ),およびスポーツマネジメント(スポマネ)の3専修科より成り立っており,それぞれにそれ相応の,生い立ちの全く異なる,しかも優秀な教員と学生がいるので,きわめて学際的といえる。

このようなスタンスの学部からは,上記目的・目標のほかに,それぞれの分野における21世紀向けのすばらしいビジネスが数多く生まれる可能性がきわめて高く,このことを含めて,「健マ」構成員のモチベーションはとても高い。

そろそろ肩が凝ってきたので,ここらでおしまい。了

※「帯患健康」: 健康という概念に,多少の障害を有していても目立ったものではない状態も含める,ということ。

(掲載日:2005/11/11)

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