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おかしら日記
2009.10.01

国際水準の大学づくり|國領二郎(総合政策学部長)

新しいキャンパス執行部体制が始まるにあたって、いま、総合政策学部長として任期中にやってみたいと思っている三つの取り組みの考え方を共有させていただきます。具体的な取り組みは学内外の方々のフィードバックをいただきながら軌道修正するかもしれませんが、根幹の考え方はぶれないようにしたいと思っています。

第一は「未来創造キャンパス」の整備です。現在、キャパス隣接の土地を慶應義塾の教育研究活動に利用可能とする計画が進んでいます。この機会に、SFCが創設以来目指してきた24時間キャンパス、すなわち学生や教員や、外部からいらして下さる訪問研究者の方々などがキャンパスに住み込んで、安全な環境の中で安心して学びや研究を深めることのできる滞在型教育研究施設づくりを進めていきたいと思っています。単に施設を作るだけでなく、広く世界の人々がSFCに来て学んだり、研究をしたりしたいと思えるような活動を展開して、名実ともにSFCを世界水準の大学にしていきたいと思います。

未来創造キャンパスは近隣や地域との連携のもとで、慶應義塾所有の土地を超えた「キャンパスタウン」として推進していきたいと思います。これについてしっかりした、ビジョンを打ち出すことが、SFCの悲願ともいっていい、キャンパス周辺の公共交通機関の整備にもつながると思っています。

第二は国際化です。SFCは既に慶應義塾の中でも留学生の多いキャンパスとなっていますが、慶應義塾が負っている世界を先導する使命を果たすためには、さらなるグローバル化を推進する必要があります。この点について環境情報学部は文部科学省の「グローバル30」プログラムの中で、主として英語科目の充実をすることで実現する取り組みを進めています。総合政策学部は環境情報学部のグローバル30プログラムを側面から支援し、留学生の受け入れを推進したいと思います。同時に総合政策学部としての取り組みとして、世界の大学や高校の「日本研究」や「日本語教育」と連携することで、世界の研究機関の日本研究のハブとなることを目指したいと思います。これはSFCが創設以来推進してきた「多言語主義」とセットとなる戦略です。総合政策学部が探求する社会づくりやそのための政策は、それぞれの国の文化や言語の文脈に埋め込まれて意味をなすものです。日本の学生に現地の言語で世界を理解できる能力をつけてもらったり、世界の学生や研究者に日本社会や日本で推進されている政策を日本語で理解していただいたりする環境を整えたいと思います。

第三は教育や研究が活性化するような組織や制度整備です。昨今の法令や会計規則遵守の流れは、一方で大学を社会的存在として発展させる上で、ぜひとも推進していかないといけません。しかしそれをやるにあたって他方でコンプライアンスを担保しつつ、多様な活動ができるような、制度整備が伴わないと、教育研究活動が沈滞してしまいます。特に重要なのが人材をめぐる制度です。SFCは、特別研究教員制度やSFC研究所員(訪問)制度などを運用することで、多様な人材に活躍していただける場を提供することで発展してきましたが、コンプライアンスへの要求の高まりに制度整備が追い付かず、人材の活躍の幅を狭めている現状があると考えています。多様な人材の教育研究における活躍をはかる時には、同時に学校運営に尽力している方々を評価することが大切だと思っています。教育は農業に似て、日々、根気よく状況に対応していく努力を要するものです。目立たないところで、学びの場を支えてくださる努力をしている方々に目を向ける学校にしたいものです。

教育、研究、学校運営の三つのエンジンをバランスよく効かせるために、多様な人材がそれぞれの状況に応じてのびのびと教育研究を発展させ、充実感を持って学校運営にあたれるような環境整備をしていきたいと思っています。

ほかにもやらねばならないことがいろいろあるのですが、まずは以上のことのようなことを進めて、SFCを世界中の学生や研究者にとって、行ってみたい、そこで学んでみたいと思えるような豊かな教育研究活動と、ここに住んで心地よいと思える大学を作っていきたいと思います。

(掲載日:2009/10/01)