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キャンパスライフ

春学期をふり返る

大学院 政策・メディア研究科委員長 加藤文俊

政策・メディア研究科は、総合政策学部、環境情報学部の二学部とくらべると、学生数も開講科目数もはるかに少ない。もとより、大学院生は、一人ひとりが自らの課題に即して自律的に研究活動に勤しむことが期待されている。さまざまな研究領域、アプローチを包摂する研究科であることから、指導のスタイルも、理想とする研究環境もじつに多様である。この状況下においても、大学院生の指導における創意工夫が、たくさんあったはずだ。大学院での「グッドプラクティス」は、別のかたちで取りまとめるのがよいのかもしれない。

私自身の今学期の体験でいうと、修士研究会や、博士課程の学生とのミーティング、アカデミックプロジェクト(AP)については、オンライン環境でもそれほど大きな問題もなく進行した。進捗報告やコメントのやりとりは、むしろ、ふだんより(オンラインのほうが)集中して聴くことができたようにさえ思う。また、Slackをはじめとするツールの併用は役に立った。中長期にわたる大学院生の指導については、現時点では、まだ語ることができない。

修士課程の中間報告、最終報告(最終試験)、博士課程の大学院セミナー(公聴会、最終試験など)も、オンラインで実施することになった。かねてより、大学院生の活動・進捗状況は、ウェブを介して確認できるようになっており、とりわけ修士課程については、数年前から「修士論文システム」の運用がはじまっていたおかげで、オンライン環境での進行もさほどストレスを感じることがなかったように思う。
現在、プログラムごとに、中間報告・最終報告についての所感や改善案の取りまとめをお願いしている。言うまでもなく、対面でこそ実現することは少なくない。オンライン環境における指導について、工夫の余地は大いにあると思うが、ツールの選択・組み合わせなど、今学期の経験と実績をふまえて、来学期以降につなげていければと思う。なにより、状況の変化に柔軟に対応しながら、大学院における研究・教育の質を担保するために、実践事例を収集・蓄積し、私たちの資産として活用していくことが有用であろう。