ドイツ語

担当:佐藤 友紀子特任助教ほか
履修者は何人でしたか?
18名程度です。
授業形態は何でしたか?
WebEXとZoomを使用し、コミュニケーションとディスカッション重視のライブ配信型授業を行いました。
言語の授業では、オンラインならではの様々な取り組みを進められたようですね。それらのねらいや内容について具体的に教えてください。
私の授業では教科書のコンテンツに合わせて学生が1. ドイツ語文法、2. ドイツ語のライティング・リスニング・スピーキングの言語運用能力ならびに3. ドイツ語圏の文化、それぞれの項目を毎回学習できるように多様なオンラインツールを生かした授業に取り組んでみました。1)ではWebEXのテストフォームを使用し、各課ごとの重要文法事項を振り返ることができるよう、ミニテストを作成・実施しました。2)では実際にドイツ語を使用するコンテクストにおける課題を設定し、Zoomのブレイクアウト機能を使用し、小人数グループでプロジェクトベースの授業を実施しました。例えば来日する準備中のドイツ人留学生へグループで手紙を書いて、やり取りを行ったり、ドイツ語のビデオや音源を共有しグループで課題を解決するリスニングの課題に取り組んだり、テーマを設定してグループセッション内でドイツ語会話を行いました。3)ではウェブ画面や独自に作成したドキュメントの共有機能を通して、ドイツ語圏文化やヨーロッパの文化に関する紹介や日本との違いを話し合う授業を行いました。オンライン授業では学生が授業にアクセスし授業に参加するモチベーションを維持することが重要だと思い、オンライン上のディスタンスも縮小できるよう、私(教員)も含め、学生同士がコミュニケーションできる時間を多く取るようにしました。そして、教員が答えを与える授業よりも、グループで気づきを得るよう、特にグループワークではファシリテーターとしてアドバイスを与える教員の役割を意識しました。授業後は質問や学生が授業後にも会話できる場として10分ほどオンラインルームを続けました。 また、今回のオンライン授業ではトラブル回避も含め、教員と学生間のコミュニケーションをサポートしてくれるSAの存在は欠かせませんでした。ドイツ語研究室のSAはドイツ語学習者の先輩でもあるので、初級-中級レベルのドイツ語を学ぶ学生たちの将来のモデルとして、私とのモデル会話も実践していただきました。
履修者の反応や効果について教えてください。
学習の面で、始めは全員が控えめに参加する様子が見受けられたのですが、徐々に学生が積極的に直接マイクを通して、あるいはチャットを通して質問するようになりました。ドイツ語学習に関しても、頑張って取り組んだ学生は成長した様子が見られました。コミュニケーションの点からは、言語の授業が学生同士で話す時間を多く取ることができ、横の繋がりを作る時間にもなったという声をいただきました。最後の授業では「全員でインテンシブ3に進もう!」と盛り上がり、夏休みにはエキストラ授業としてドイツとドイツ語について多様なテーマから自由に話し合ってみる機会も設置されました。今回の授業形態の変化を通して、遠方からSFCに通う学生はオンラインの方が良いという意見からやはり教室で授業するほうが集中力と意欲を保つことができる、という意見もありました。言語の授業も今後の授業形態に関して、様々な課題が明らかになったと思いますが、みなさんとベストプラクティスを検討することができれば幸いです。