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SFCスピリッツ
2018.05.23

社会や公共を民間の立場から担う | 小島泰威さん(1996年総合卒業)

小島泰威

東日本旅客鉄道株式会社 国際事業本部 海外鉄道事業部門
英国フランチャイズ グループグループリーダー 課長

総合政策学部1996年卒業

社会性や公共性を、民間の立場から担いたい。そんな希望が実現できる企業を探すなか、「それは仕事としてはできないよ」と役員面接で言われたこともありました。結局は「面白いね、その発想」と異口同音に面接官が言ってくれたJR東日本に就職しました。

1996年に入社して以来、駅や乗務員を預かる現場、経営企画部で勤務。途中で留学してMBAを取得し、2014年6月からニューヨーク事務所次長を務めました。2017年、JR東日本は英国で都市鉄道の事業運営を共同で落札しました。日本の鉄道事業者として初めて欧米でのオペレーションに進出することになります。

インフラ産業はドメスティックなものと思われていた時代は過去のもの。今では鉄道分野もグローバルな競争の世界に入っています。日本が誇る技術やノウハウもガラパゴス化して、グローバルスタンダードとかけ離れたローカルなものになってしまう恐れも抱いてきました。

世界を見れば、ハングリー精神をもって市場開拓を進める同業他社がいます。一朝一夕には行きませんが、鉄道発祥の地であり、海外に開かれた英国市場での知見を得ることにより、日本の強みを生かしつつ世界の潮流と融合して、さらなるグローバル展開をめざせるようにしていきたいと思っています。

未来からの視点をいつまでも

SFCは3期生で、入学時はまだ大学院もない状態でした。慶應義塾の各学部に加え、各界から集まった意欲的な教授陣に魅力を感じて入学しました。政策・戦略を学びながら、ITシステムも学べる学際性も画期的でした。

入学後は「実学」を基本に、現地や現物、実際の人や声を大切にすることを学びました。コミュニケーションには日本語や外国語といった自然言語はもちろん、それ以外の環境・情報ツールがあるということを教えられました。既存の専門性を尊重しつつ、セクショナリズムに陥ることのないよう、立ち止まって考えるべき普遍的な概念をもつということの大切さもSFCで体得しました。

加藤寛先生からは公共政策を政府に任せるのではなく民間企業が社会・公共的役割を果たす重要性、井関利明先生からは固定観念にとらわれないパラダイムシフトによるソーシャルマーケティングなど、今でも印象に残る教えを受けました。

SFCで印象に残っているのは、グループワークでの活発な議論や、ディベートで勝敗が決したときのどよめき。夜中にコンピュータ室に行くと必ず誰かがいました。総合政策学の講義でひとコマもらって、プレゼンテーションをしたのもいい思い出です。

SFCは、型にはめるキャンパスではありません。問いは常に形を変え、答はいつも同じとは限らないのがSFCの学び方です。何度も聞かされたのは「君たちは未来からの留学生だ」という言葉。未来から来たつもりで学び、その未来へと帰っていくという発想は、社会に出てからも大切にしています。