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SFCスピリッツ
2007.04.18

自分を磨き、人に好かれる信頼関係の構築を。

SFCスピリッツ

自分を磨き、人に好かれる信頼関係の構築を。

小山高明さん
日本電信電話株式会社 ネットワークサービスシステム研究所 主任研究員
1994年環境情報学部卒業、1996年政策・メディア研究科修士課程修了

今私は、NTTが進める新しい電話網である”NGN(次世代網(*1))”の装置の設計・開発に従事している。短期間での大規模な開発であり、開発計画書・要求仕様書の執筆、メーカのキーパーソン、コーディング実担当者の人柄を含めた把握、設計書・ソースコードレビュー、進捗管理・品質管理など、日々の業務は開発マネジメントの一般的手法のオンパレードである。どんな仕事にも自信を喪失するような危機は必ず存在する。電話は24時間通話が切れないのが当たり前であるため、たとえ原因が発生確率の低い予測不能なハードウェアバグであっても、ひとたび不通となれば、たちまち致命傷となってしまう。こんな時こそ、社内外からの普段からの信頼関係がものを言う。24時間2交代制、土日返上で一ヶ月間試験をこなし、原因追求とハードウェアチップメーカとの交渉で共に危機を乗り越えた経験こそ、今の私を支えている。

仕事上で信頼関係を作り上げるには、自分自身のコアコンピタンス・アイデンティティをしっかり自覚して、相手の話をじっくり聞き笑顔のあるコミュニケーションで相手のカルチャに入り込んで切り拓いていくしかない。”釣りバカ日誌”の主人公”ハマちゃん”を思い出してみてほしい。自分の技術と良さを自覚し、独特のユーモアで周囲を巻き込みつつ仲間を増やしている。発想が豊かで夢のある人は既成社会で排除されやすいが、「あいつは憎めないんだよな。」「頼りになるんだよな。」といった慕われる人間になれば、結局皆を動かしてしまう。仕事にて自信を喪失するような失敗や危機との遭遇は今後もあるだろう。そんな時のためにも、自分を磨きつつ、より一層の信頼関係の構築に普段から努めていきたい。

私は慶應で3番目に創立されたSFCのオーケストラ、アインクライネスオーケストラ(*2)の初代コンサートマスターを務めた。このときの楽しい経験により、今でも音楽を続けている。アインクライネスオーケストラも創団17年が経ち、昨年12月の第16回定期演奏会では約1000人のお客様にご来場いただくオケに成長し、後輩達の力に感激した。今年は、最初のOB・OGオーケストラの設立が予定され、来年2月16日に晴海トリトンスクエア内にある第一生命ホールで第1回定期演奏会も開かれる運びである。後輩達の今後の活躍に期待したい。

*1:NGN(次世代網)
*2:慶應義塾アインクライネスオーケストラ

(掲載日:2007/04/18)