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SFCスピリッツ
2007.12.05

想像の世界から標準へ

SFCスピリッツ

想像の世界から標準へ

渡里雅史さん
KDDI株式会社
2003年環境情報学部、2005年政策・メディア研究科修士課程

ケータイが私たちの生活をより便利で豊かにすると信じて、卒業後はKDDI株式会社に入社しました。現在、研究所に所属し、近い未来の新しいコミュニケーション社会を支えるための通信ネットワークの研究に従事しています。少し先の未来を考え、様々な通信サービスをイメージし、数千万規模のお客様を快適に収容するためのネットワークを検討しています。実現するまでは、頭の中で想像する時間が大半を占める、そんな仕事です。

実際に想像の世界を実現させるためには、様々な課題を解決していく必要があります。私は、その一つである国際標準化活動を担当しています。国際標準化とは、方式や規格を統一することを意味します。例えば、私たちが様々な通信サービスを世界各国で共通して利用できるのは、通信方式や規格が統一されているからです。定期的に開催される会合では、同じような目的を持った人が世界各国から集まり、様々な角度から議論し、多くの時間を掛けて一つの標準を作ります。意見が合わないことや、理解が得られないことも多々あるため、標準となるまでに数年掛かることも稀ではありません。長く地味な活動ではありますが、想像の世界を実現し、人々に喜んでもらうためには、欠かすことのできない大事なミッションなのです。

標準化を通じて思うのは、SFC在学中の村井純先生の教えです。「研究だけで終わらせるな。人々に使ってもらって初めて喜べ。」村井先生も最初はインターネットの必要性について誰にも理解を得られなかったと聞きました。しかし、いつか人々に使って喜ばれることを信じて、日本語を利用可能とするための標準化活動を始め、国内のインターネットの普及に大きく貢献されてきました。私もいつかそんな貢献ができるよう、頑張っていきたいと思います。

KDDI株式会社
http://www.kddi.com/
株式会社KDDI研究所
http://www.kddilabs.jp/

(掲載日:2007/12/05)