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SFCスピリッツ
2007.10.31

中央銀行とSFC

SFCスピリッツ

中央銀行とSFC

敦賀智裕さん
日本銀行 金融研究所
2003年総合政策学部卒業

私は現在、日本銀行でエコノミストとしてファイナンス理論の研究を行っています。金融市場や金融機関の間で起きている問題を、その局面に適した理論を用いてビビッドに描写し、国民に説明してみせることが私の職務です。

金融危機の真只中、政策の勉強をしようと考えた私は、1999年に総合政策学部に入学し、小暮厚之研究会に所属してファイナンスや統計学などを中心に学びました。その後、大学院に進学して更に専門性を磨き、修了後はかねてから興味を抱いていた日本銀行で働くことになりました。それまでに学んだ政策分析の手法を、日本銀行で実践できるのではないかと考えたからです。

実際、日本銀行では、経済や金融システムの情勢を適切に把握するため、あるいはそれらの構造を明らかにするために、経済学、ファイナンス、会計学、統計学等の様々な分析手法が動員されています。皆が新たな知識や分析手法を獲得することに前向きで、知的興奮に満ちているところは、SFCとも共通した点です。

もっとも、中央銀行の業務は、分析を行うのみでは完結し得ません。政策を実行するために金融市場への介入や通貨の発行といった実務を行っていますし、中央銀行という特殊で重要な金融機関の組織を運営するのも大変です。私は将来的には、こうした問題に対してもSFC的なモノの見方、考え方がどのように役立つか、試してみたいと考えています。

仕事柄か、企業や金融機関、行政、マスコミといった様々な関係者と遭遇し、社会の様々なところでSFCの卒業生達の活躍を見聞きします。私も、SFCで得たものを忘れることなく、彼らに負けないよう、日々成長していきたいと思っています。

(掲載日:2007/10/31)