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SFCスピリッツ
2007.12.19

ディレクターとしての自覚が生まれるまで

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ディレクターとしての自覚が生まれるまで

田中珠理さん田中珠理さん
株式会社NHKエデュケーショナル 語学部ディレクター
2006年政策・メディア研究科修士課程

「将来は語学教育番組の制作に携わりたい。」
大学院の研究計画書にそう書いたのを今でも鮮明に覚えている。そして、今私は語学番組のディレクターである。

ディレクターは、番組の企画から実際の撮影、編集そしてナレーション・テロップ作りに至るまで全てに関わる仕事である。番組制作を進めていくのはディレクターだけだ。私が動かなければ他の誰も動けない。就職してから約1年半、そのことを痛感している。

私は学生時代、言語を習得する理論を実際の教育の現場にどのように応用していくことができるかを考える第二言語習得論を専門にしていた。必然的にNHKの語学番組は研究対象であり、語学の勉強をするためというよりは言語学的なアプローチを楽しみにする視聴者だった。番組制作に携わりたいというぼんやりとした思いからこの職業に就いたが、幸運にも一年目にしてこんな番組があったらいいなと学生時代から考えていた企画を制作する機会に恵まれた。しかし、言うは易し行うは難しとはよく言ったもので、理論尽くめの構想を映像にするととてもつまらないものになったり、あくまでも語学番組としての正確さを求められたりと、とにかく目の前に現れるもの全てが私には挑戦だった。

自分の思い描いていたことができる楽しいだけの番組作りから、頭を抱えて悩む経験を繰り返していく中で、「ディレクターとしての自覚」が最近ようやく出てきたと感じるようになった。ディレクターとしての仕事は始まったばかりである。これからも視聴者のための番組作りに全力を注ぎたいと思う。

→ゴガクル ミラクル語学サークル
→NHKエデュケーショナル

(掲載日:2007/12/19)