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SFCスピリッツ
2007.07.04

「カスタマー・サティスファクション」と「ありがとう」の連携を目指して

SFCスピリッツ

「カスタマー・サティスファクション」と「ありがとう」の連携を目指して

三輪敬祐さん三輪敬祐さん
株式会社阪急百貨店 業務効率推進室
1997年総合政策学部卒業

「ありがとう」

お客様からのこの一言が私にとって最も嬉しい瞬間です。商品に携わる様々な人達の思いが「ありがとう」の一言で昇華し、その瞬間、お客様も従業員も幸福な気持ちに包まれる。これが百貨店の存在意義であると感じ、この仕事を選びました。

現在、私は阪急百貨店で次世代の商品情報システムの構築を担当しています。このシステムは、「どの店舗よりも顧客満足度の高い商品を調達しようとするバイヤー」や、「お客様の気持ちを汲み取り自分達に出来る最大限のサービスを提供しようとする売場販売員」に対して、商品動向をリアルタイムに提供するためのしくみです。

8年前にも携わった商品情報システムの構築ですが、今回は、プロジェクトを進める中心的な立場として、再びこの業務に携わることになったことに対して、深い縁と責任の重さを改めて感じています。

自分の意思を反映することが出来るようになった以上、前回考えることすらできなかった「お客様」とのつながりを意識したしくみを確立したいと考えています。プロジェクト自体始まったばかりですが、百貨店らしいアナログ的な要素、例えば、バイヤーが立案する「顧客満足度の高い品揃え計画をより的確で精緻にするもの」や、百貨店の永遠のテーマである「販売員がお客様に満足いただける接客をするために必要なしくみ」を取り入れることで、お客様との深い関係を作りたいと思っています。単純に情報を提供するだけでなく、このシステムを使い、彼らがどのように行動し、ひとつに結集していくかというところまでを含めてこのシステムを構築することが私の使命です。

現在、私は、店頭でお客様と会話したり接客したりということは、ほとんどありません。しかし、私にとっては、このシステムのユーザーである従業員が使いやすく、お客様のためになる業務を行えるように、システムを通して支援することが、お客様の笑顔を頂戴することと同義なのです。

SFC時代、私は江藤淳先生の研究会で、近代文学の作家達が作品を通して何を伝えたかったのかについて学びました。作品に接するうちに、さらっと読んだだけでは、みえてこない「もの」について触れ、心が動かされたことを覚えています。今度は私が、直接接さずとも、お客様に幸福を味わっていただけるような人間味のあるシステムを構築したいと考えています。

阪急百貨店ウェブサイト

(掲載日:2007/07/04)