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SFCスピリッツ
2008.01.09

「ネズミ」と私

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「ネズミ」と私

武島和義さん
The Walt Disney Company.
Disney Publishing Worldwide (Japan)
雑誌部 マネージャー
1999年総合政策学部

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「この世界一有名なネズミの名前を知っていますか?」―――好き嫌いは別として、老若男女、国籍問わずたいていの人間はこのなぞなぞに回答できるのではないでしょうか?

現代でいういわゆる「キャラクター」という括りにおいては、彼より古かったり、彼と同じくらい投資コストがかかっていたりするキャラクターがごまんと存在しますが、彼に比肩する程の市場認知を獲得したものはあまり存在しません。

確かに世界で初のフルカラー&フルアニメーションで映画を制作したのは初代社長のウォルトですが、マンガやアニメ映画自体の歴史や文化からいえば、日本に注視してみても、日本のほうがはるかに古く文化や文化的土壌を持っています。 なぜこのコンテンツがこれだけの期間、これだけのパワーを持ち続けているのか、これらの疑問を解明することが、私が今この組織で働くことに対してのモチベーションになっています。

社内ではキャラクター、ストーリーそして世界観を総じて「プロパティ(財産)」と呼称しているのですが、彼ら80年以上前に誕生したネズミやアヒルがプロパティであり続けるための秘訣を吸収することが第一の私の直近の目標です。(2008年の11月が80周年記念になります。)

経営、法律、政治や外交の側面、そしてクリエイティブの側面といった広範な知識と経験を身につけてゆくことの出来る環境にあって、第一の目標を達成し、第二、第三のハードルにチャレンジしていくにはもう少し時間を要しそうです。

一転、総合政策の延長と言わんばかりに、職場でこのように広い興味を持つことが出来るのは、不良学生ではありましたが少しは基礎が醸成されていたのではないかと、改めて諸先生方に感謝しております。
このコラムにご推薦くださった、田島英一先生にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

(掲載日:2008/01/09)