MENU
SFCスピリッツ
2007.07.18

大学機関の今後を見つめる

SFCスピリッツ

大学機関の今後を見つめる

坂口琢哉さん坂口琢哉さん
安田女子短期大学 秘書科 講師
1999年環境情報学部卒業、
2001年政策・メディア研究科修士課程修了、2004年政策・メディア研究科後期博士課程修了

昨年末にSFCを離れ、故郷広島に帰って来て半年が経ちました。現在、私は市内にある短期大学の専任講師として、主に情報教育を担当しています。着任当初の4月は新しい環境に慣れることで精一杯でしたが、最近ようやく自分のペースを掴み、少しは余裕が出てきたように思います。現在は日々の講義や大学業務などをこなしつつ、休日は家で論文を読んだり、新しい研究のアイデアをまとめたりする毎日を送っています。

私がSFCにお世話になったのは、大学に入学した1995年から昨年まで、実に12年間になります。環境情報学部にはじまり、政策・メディア研究科の修士課程、後期博士課程、そして情報科目の非常勤講師へと立場を変えつつも、一つの大学にこれだけ長期間携われたのは、本当に幸運なことだと思っています。特に最後の3年間は、後期博士課程における自分の研究と、非常勤講師としての大学教育とを両立でき、これが現在の私を支える直接的な基礎になっています。

今期私が担当している科目は、コンピュータの基礎的な演習から卒業研究まで、計8科目になります。この数字は昨年までと比較して特別多い訳ではないのですが、全ての科目に対して内容を一任されており、一つ一つの授業デザインやペースメイクにはかなり神経を使っています。また、あくまで講義のみの担当であった昨年までに対し、今年からは教授会や各種委員会、学生の為のオフィスアワーなど様々な面で大学との関わりを持つようになり、それらを通じて大学全体に対する責任を自覚するようになりました。同時に、今後の大学の在り方や自分のスタンスについても、考える機会が増えたように思います。

国立大学の法人化や少子化に伴う再編成など、大学機関は現在、大きな転換期を迎えています。大学は最早スタティックな象牙の塔ではなく、社会に対して敏感に反応し、迅速かつ多角的に対応できる能力が求められていると考えます。そうした中にあって、大学教育はどうあるべきか、大学研究には何が求められているか、魅力的なキャンパス作りには何が必要であるのか。。。SFCで研究と教育の両方に携われた経験を生かしつつ、大学機関に身を置く者として、自分なりの答えを見つけていけたらと考えています。

(掲載日:2007/07/18)