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SFCスピリッツ
2008.06.25

みんな、幸せに暮らしていますか?

SFCスピリッツ

みんな、幸せに暮らしていますか?

下田寛典さん

下田寬典さん
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)タイ事業担当
2003年環境情報学部、2006年政策・メディア研究科修士課程

東京で国際協力の活動をするNGOで働いている。

大学3年になってタイに1年間滞在した。国際協力や開発の勉強をしたことはなかった。貧困は遠い国の出来事で自分には無縁だと思っていた。タイに行こうと決めた理由はいろいろあったが、今思い返してみれば「自分に何ができるのか?」ということを知りたい、試したいという一点だった気がする。タイで水道も電気もない場所で暮らしていくうちに、人間の生きていく強さに魅せられた。食べるものを自ら作り、住むところを建て、家族団欒を楽しむ日常に「幸せ」を見つけた。経済的に見れば、日本人には足元にも及ばない。でも、お金で買えない幸せが本当にあった。貧しいのは生きていく力のない自分かもしれない。価値観が変わった。

でもそれは出会ってきたタイ人の幸せであって、自分の幸せではないことを帰国してから気付いた。自分にとっての幸せってなんだろう。もっとちゃんと勉強しようと思った。国際協力や開発の勉強を始めた。経済学にも触れたし果ては宗教の勉強もした。本の中にはヒントはあったけど答えはなかった。大学院は学部の延長戦だった。再度タイに行き、もがいて、追い詰められるように修論も書いたけれど、分かったことは「幸せを掴むには自分はまだまだ未熟」ということ。

今の仕事は偶然舞い込んできた。NGOは途上国で援助をしているイメージが強いかもしれない。けど、私はNGOという場を借りてタイ人と日本人が出会う場を作っている。それを「交流」と呼ぶ人もいるし「人材育成」と呼ぶ人もいる。呼び方は何でもいい。私の想いは、タイの農民の「幸せ」に魅せられて私が真剣に幸せを考え始めたように、他の人にも自分の内面の変化を自分の体験として味わって欲しい。押し付けがましくてちょっと野暮ったいけれど、隣の芝の青さを見て自分の幸せを見つめなおすことがあってもいい。タイで出会った農民はみんな大変そうだったけど、自分の暮らしに自信を持って幸せにしていた。みんなはいま幸せに暮らしていますか?

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
http://www.ngo-jvc.net

→タイの農民と交流するスタディツアー

(掲載日:2008/06/25)