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SFCスピリッツ
2008.06.04

日本の元気を、宮崎から。

SFCスピリッツ

日本の元気を、宮崎から。

市川貴義さん
フェニックス・シーガイア・リゾート
戦略プロジェクト担当シニアマネジャー
2001年環境情報学部
2006年4月〜2008年3月 政策・メディア研究科e科目等履修生

私は、学部を卒業したのち米系の会計事務所にコンサルタントとして勤務し、その後米系投資会社に移りました。現在は、東国原知事で有名な宮崎県にて、投資先であるフェニックス・シーガイア・リゾートの再生プロジェクトに携わっています。具体的には、財務的な観点からの継続事業の見直しだけではなく、次期事業開発立案やマーケティングリサーチ、人事組織改革などCEOアジェンダ支援全般に取り組んでいます。

学部時代を振り返ると、私は印南一路研究会にて意思決定論を、前田章研究会(現在は、京都大学にて准教授としてご活躍中です。)にてファイナンスを学びました。先端的な専門知識ももちろんですが、基礎となる、合理的な意思決定や財務・金融の「作法」を身に着けられたことが現在の職務に活かされています。

現在の私の仕事は、投資・事業再生という分野に属します。一般には最先端の専門知識を駆使し、M&Aを含む財務リストラや戦略の見直しなどを通して企業価値を向上させる仕事であろうと認識されているかと思います。確かにそういった一面もあるのだろうと思いますが、一方で、実際に現実的な解決策を立案・実行し、より良い状態を継続するのは、実務を担う方々です。そういった活動を加速させるために一番必要なことは、コンサルタント時代の「ロジック至上主義」を越えて、「多様性を受容すること」ではないかと、縁も所縁もない宮崎で年齢も背景も様々な方々と協力し合いながら仕事をする中で今、思うのです。

そうした中、年齢こそ近いものの、多種多様な考え方をもつメンバーと数ヶ月に亘り取り組んだ学部時代のグループワークが思い出されます。その後の進路も広告代理店、投資銀行、シンクタンク、通信サービス会社、政府系機関などばらばらとなりましたが、そのグループワークを通して、私は、「多様性を受容すること」の大切さや意味、そして協業の楽しさを学びました。当時は「余分」と考えていた講義で、知識の面で直接的に現職に結びつくものではなかったのですが、そこでの学びが非常に役に立っています。

学生時代には、一見、無駄・余分であると考えられてしまうことに挑戦できる機会が多くあります。社会人になるとそういった挑戦が難しくなってしまう現実もありますので、浅くてもいいので、興味の趣くまま、より広い経験を得るよう試行錯誤をしてみるのもいい時間の使い方だと思います。

→フェニックス・シーガイア・リゾート

(掲載日:2008/06/04)