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SFCスピリッツ
2008.08.20

細菌プラスミドのゲノム情報解析

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細菌プラスミドのゲノム情報解析

鈴木治夫さん
Postdoctoral scientist, Department of Biological Sciences, University of Idaho
2003年政策・メディア研究科修士課程、2006年政策・メディア研究科後期博士課程

私は現在、アメリカ合衆国アイダホ州のUniversity of Idahoで「細菌プラスミドのゲノム情報解析」を行っています。プラスミドは、多様な細菌の細胞内に存在する染色体外DNAで、病原性や薬剤耐性などを宿主細菌にもたらすものがあります。例えば、炭疽菌の病原性に関わる因子は、主染色体とは独立したプラスミド上に存在する遺伝子から作られます。プラスミドは、微生物間を水平伝達するものがあるため、人類の新たな脅威となる微生物(病原菌や薬剤耐性菌)を作り出す可能性を持っています。当研究室では、特に、細菌の種の壁を越えて伝達する高宿主域プラスミドを対象とした研究を行っています。私は、データベースより入手可能な全ての細菌の染色体とプラスミドのゲノム情報解析を行うことにより、進化の過程でプラスミドが長期間維持されてきた宿主細菌や、細菌間の遺伝子水平伝達に及ぼすプラスミドの寄与などを調べています。

このような大量のデータを解析する場合、インプットであるデータの質を理解し、統計手法をブラックボックスとして用いるのではなく、その性質をよく理解し、研究の目的に応じて適切に使い分けることが重要です。ここで問題なのは、データファイルを加工し統計処理したアウトプットの結果だけを見て、誤った推定をしてしまう危険性です。自分が出したデータセットに自分自身が騙されないように注意するという意味でも、よく考えてから進むことが大切だと思います。

(掲載日:2008/08/20)