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SFCスピリッツ
2010.02.09

プロ野球界から見た慶應、SFC

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プロ野球界から見た慶應、SFC

SFCスピリッツ_高木大成さん高木大成さん
埼玉西武ライオンズ球団職員
1996年総合政策学部卒業

--今の仕事について
現在は埼玉西武ライオンズのPR担当として、主にフロントの広報を行っています。これまで選手としての経験があったので、メディアとのやり取りがスムーズであったり、現役選手の気持ちを汲む事ができているのではないかと思っています。
ただ、仕事については日々悩んでいます(笑)。野球選手を引退し、サラリーマンとしてはまだ5年目ですので、現在はこれまでとは違う初めての仕事に対して毎日トライしているという感じです。

--プロスポーツ選手のセカンドキャリアについて
プロ野球でも2007年のオフからセカンドキャリアサポートセンターが設立されていますが、現状はまだアドバイスをする程度で、これからの大きな課題となっています。
私の場合は、2004年のオフにプロ野球界全体を揺るがした例の大阪近鉄バファローズ問題があり、ライオンズもファンサービスの重要性に気づき、真剣に取り組む事を考えていたという背景がありました。私が2005年のオフに引退を決意した際、球団としても選手とフロントとのパイプ役になれる人材を求めていたことが、現在の仕事をするきっかけとなっています。

--プロ野球とファンサービスについて
現役選手時代、1999年の松坂大輔の入団があったり、松井稼頭央などのスター選手が存在していたり、2007年までずっとAクラスの成績を維持していたのにも関わらず、お客さまの数が年々減っていたことがとても気になっていました。選手会の副会長という立場からも、これまでのやり方ではなく、新しいファンサービスの重要性について考えていました。やはり選手ができることは限られているので、フロントに入らないと変えられないのかなあと思っていました。また、最近WBCなどで日本野球の基礎と言われている“スモールベースボール”の先駆けであった80年代のライオンズ黄金期を見ていた者(ファン)として、ライオンズに対する愛情や野球に対する愛情が現在の仕事にも生かされているのだと思います。
野球界ではプロアマ問題など様々な課題がありますが、プロ野球自体の経営が厳しいという現状があります。年々増える選手の年棒や、年金の問題などもそうです。そういったことを含め、当面はプロ野球の経営を安定させることを目標にしていきたいと思っています。最近はライオンズもCRMを導入し、やっとお客さまの顔が見えてきました。やはりファンサービスは重要だと改めて実感しています。様々なファンサービスの一環として、昔からのファンを呼び戻し、さらに新たなファンを呼び起こすために、ユニフォームをクラシックなものに変えたりしました。2010年は学生に対しても野球の面白さをアピールしたいと考えています。
また、現在は一昔とは考えられないくらい選手によるファンサービスが良くなっています。有名な選手が毎日の取材に対していやな顔をせずに対応してくれているのは頭が下がりますが、これはお互いにとって大きなメリットがあると思います。また、特に子供たちにとって良い影響を与えられるようにしていきたいと思っています。

--SFCでの経験について
私はSFCの3期生ですが、当時はWindowsも今のように普及しておらず、UNIX上でコマンドを打つことから学んでいたのですが、この時期にコンピュータに触れていたことは重要だったと思います。今の選手たちは携帯を使ってブログなどを更新したりはしますが、キーボードに対してはかなり抵抗感を持っているようです。私がそういった抵抗感もなく、タッチタイピングができたことなどは、SFCでの経験があったからこそだと思います。卒業してから10年経ってその経験が効いています。
また、当時は交通の便もあまり良くなく、日吉からは横浜、大和、湘南台の駅を経由して通学するのが非常に大変でした。アリーナのジムで筋トレばかりしていたことも良い思い出です(笑)。

--今から思う大学とは
正直なところもう一度授業を受け直したいです。あの頃は単位を取ることに必死だったので(笑)。すごくもったいないなと。たぶん、社会人のほとんどの人はそう思っているのではないでしょうか。今はいきなり実践しているようなところですので、それが当時分かっていたらもっと経営などのベースになる知識を勉強していたと思います(笑)。
また、SFCの場合は既存のテキストではなく、今実際に問題となっているテーマについての教材を用いていたように記憶していますが、それはすごく良い事をだったのだなと、今になって思います。これが慶應義塾の「実学」なのではないかと。
あとは所属していた研究会(鈴木佑治先生)の事もありますが、SFCでは何気なく英語に触れてる機会が多かったように思います。特に学食で普通に英語の会話が聞こえてくることに最初は驚きました。全日本のメンバーとして海外に行った時は英語かスペイン語しか通じなかったので、もっと英語を勉強したいという気持ちもありました。

--体育会野球部について
他大学が積極的に選手を獲得している現状もありますが、やはり慶應義塾の野球部には慶應らしさを見せてほしいと思っています。私が1年の時には、浪人して入った先輩方がレギュラーとして活躍しており、優勝したことがありました。慶應の野球部に憧れて、苦労して入学した人がレギュラーで活躍できるというのも慶應らしさかなと思います。その当時は「Enjoy Baseball」を掲げていた前田監督だったのですが、「お前たちは野球学生じゃなくて、学生野球なんだ」って言っていたのを良く覚えています。学生が中心になって自分たちで考えて形を作っていくという雰囲気に憧れていました。これからも慶應の良い伝統を受け継いでいってほしいと思っています。

--慶應のOBとして
今、サラリーマンとして仕事をしていても「お前、慶應だろ?」という話から入っていくことがすごく多いです。そのあたりは他大学ではあまりない、慶應の結束力なのかもしれません。同じ職場の早稲田の方からも羨ましがられています。

--慶應に入りたいと思っている人に対して
慶應という名前だけで大学に入りたいと思っている人はいるかもしれませんが、実際に慶應義塾大学が何をしているのかというのを見にきてもらうと、もっと違った魅力が実感できると思います。特にSFCの場合は、社会に出てからすぐに実践で使えることを学べるところだと思います。今、大学に求められているのはそういうところではないでしょうか。

--SFCのこれからについて
AO入試をはじめ、新しい試みをどんどんやっているのがSFCだと思いますが、これからはSFCで学んだ卒業生がどのように活躍しているのかをPRしていくことが大切だと思います。まさにこのインタビューとかそうですよね(笑)

--最後に現役SFC生に向けて
今やっていることは将来必ず活きてくると思います。それを信じて、学んでいってほしいと思います。SFCにいたことが誇りに思う時が必ずやってくるはずです。ちょっと遠いけれど(笑)頑張ってください。

埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト:http://www.seibulions.jp/

(掲載日:2010/02/09)