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おかしら日記
2012.03.21

決意のとき|太田喜久子(看護医療学部長)

人生にはいくつかの節目がある。

卒業、入学、進級、それぞれの節目に、これから自分が向かっていく道への決意を新たにすることは、とても大事なことである。

そして、決意したことに向かって、考え、行動しよう。しかし残念ながら、実際には思うようにうまくいかないことも多いが、すぐにはめげないで、対策を考え粘ってほしい。さらに事態が混とんとしてくると自分を見失い、暗中模索状態となる。そのような時こそ、自らが決意したことを思い出し、気持ち新たに自分が進むべき方向を見出してほしいと思う。

昨年、思いがけず一枚の写真が送られてきた。教員をしていて30代で急逝した友の在りし日、友と彼女を取り囲む学生たちの姿が映っていた。皆の笑顔が大学卒業を迎えた記念すべき日を心から喜んでいるのが伝わってくる。写真の日から20数年経っているが、久しぶりに笑顔いっぱいの友に再会でき、思わず「いつまでもこのときのまま年をとらず元気ね」と声をかけた。一緒に写っている学生の一人がいまは教員として立派に活躍している。その学生の胸に友の熱心な指導や姿勢が息づいているという話を聞き、さらに深く感動した。友の思いや志がしっかり受け継がれていることを知り、誇らしく嬉しかった。そして、教員としてかくあるべしと、教えられた。少しでもこのように生きたい、と思う。

皆さんには、さまざまな自分探しをしながらも、大いに悩み、考え、行動してほしい。自分を磨くことをいとわず、自分なりの道を、自分が生かされる道を見つけてほしい。

自分が生き生きする場をみつけ、人とのつながりをもち、それを大事にし、自分を豊かにしていってほしい。そして、そのことがまわり人の生き方を豊かにするような、そんな人になってほしいと思う。

(掲載日:2012/03/21)